【消えた列車】霧に呑まれたタイムトラベル・トレインの奇妙な物語

もしもあなたが乗っている電車の目的地が、中世ヨーロッパだとしたらーー。

走行中、突然列車が姿を消すという事件を知っているだろうか。また、これと繋がるように、突然出現する列車の記録が存在する。

なんとも信じがたいが、事実なのだ。

▼ YouTubeでも紹介してます。

目次

突然消えた豪華列車

突然消えた豪華列車
事件はイタリア・ローマで起きました。

1911年7月14日、鉄道会社「ザネッティ」は、豪華列車への無料試乗にセレブたちを招待。彼らはこの列車に乗って、優雅に美味しい食事や宴を楽しみながら、旅を満喫していたのです。

列車の出発から数時間が経過したころ、前方にトンネルが現れました。このトンネルは、当時まだ完成したばかりの比較的新しいトンネルで、これまでのトンネルとは比較にならないほど長いものだったそう。正確には0.5マイル、約1kmのトンネルです。

謎が生まれたのは、このトンネルからでしたーー。

二度と、その列車がトンネルから出てくることは無かったのです。

蒸発して消えた列車

蒸発して消えた列車
トンネルが通っている山は、ロンバルディア山と呼ばれ、イタリアの都市伝説として有名な場所。

当時、この列車を所有していた鉄道会社関係者や、地方警察がトンネルの徹底した調査を行いました。しかし、列車の痕跡が見つかることは一切なかった。

トンネルは山を貫通する長いチューブ状で、出口は1つしかありません。トンネル内の壁を調べても、何かに衝突した形跡や、トンネルを走っていた痕跡すら残っていなかったんです。

しかし、この列車の異変に気づいた乗客のうち2名が、列車が消える直前に飛び降り、生還していたのです。すぐに2人は救助され、この不気味な旅について、このように語った。

「列車がトンネルに近づくにつれ、どこからともなく黒い煙が現れました。かと思えば当たりは真っ白な霧に包まれ、列車はトンネルの入り口に入らぬよう急に減速。どんどん濃くなる霧であたりは何も見えなくなり、乗客はパニックに陥りました。怖くなった僕はそのまま列車から飛び降りたんです。」

当時の新聞に語られた「消えた列車の真相」


この不気味な列車から一命を取り留めた二人のうち、一人が新聞の取材に応じた。

彼が語った内容は、
「まず最初に起きた不思議な出来事は、黒い煙の中から聴こえる鼻歌です。不気味な音と光景に不安になった私は、列車の正面を確認したんです。そこに見えたのは、列車を飲み込む乳白色の霧。霧はトンネルから溢れるように出ていて、まるで波のように列車を飲み込みました。先頭車両が霧に飲まれると、突然列車の扉が開き、恐ろしくなった私はとっさに飛び降りた。列車はほとんど動いていなかったので、飛び降りるのは簡単でしたから。飛び降りた私の目に映ったのは、同時に飛び降りたもう一人の乗客。そして、硬い地面に叩きつけられる感触。それが、私が覚えている最後です。」

この事件で負傷したこの男性は、その後しばらく睡眠障害やストレス障害に苦しむこととなり、二度と電車を目にすることができなくなったんだそう。

消えた列車は何処へ

消えた列車は何処へ
この事件から、噂は瞬く間に広がることとなります。

政府は、このトンネルを封鎖することが最善の策であると考えたものの、行動に移す前に、このトンネルは消えることとなったのです。

第二次世界大戦の最中、たまたま爆撃されたことにより、永遠に封鎖。この事件について、誰も適切な説明をすることができないため、このままこの事件は闇へと葬られることに。

誰も列車の行方がわからぬまま、この事件は終結ーー。かと思いきや、驚くべき記録が発見されました。

世界中で目撃される「タイムトラベル・トレイン」

世界中で目撃される「タイムトラベル・トレイン」
画像:A Train Lost in a Tunnel in Italy, No One Can Find It|YouTube

時は遡ること400年。まだ列車や鉄道が存在しない中世ヨーロッパで、イタリアのモデナ修道士が「奇妙な服を着た人々が乗った大きな金属製の”チューブ”を見た」という記録を残していたのです。偶然にしては辻褄が合いすぎると感じるのは、きっとボクだけではなないでしょう。

  • 奇妙な服を着た人々=時代にそぐわない服を着た乗客
  • 金属製のチューブ=消えた豪華列車

と考えれば、中世ヨーロッパの人々が目撃したものを想像することは、容易です。

他にも、こんな記録が残されていました。

104人の精神疾患患者を診察した精神科医

104人の精神疾患患者を診察した精神科医
「一度に104人のイタリア人グループを診察することとなった。患者たちは、精神錯乱状態でヒステリーを起こし、全員見たこともない服を着用し、ローマからザネッティ列車に乗り旅行に来ていた。また、乗客の一人が所持していたタバコの製造日が1907年と、未来の日付が記載されていた。

これは1845年、地元病院の精神科医が残したメモの内容で、この時見つかったタバコはメキシコの博物館に保管されているらしい。

また、この医者が下した診断結果は集団狂気というケースであり、それ以上の記録は残っていません。

次は未来に!?1955年の列車目撃記録

次は未来に!?1955年の列車目撃記録
何年も後、再び列車の目撃情報が挙げられました。

1955年10月29日、場所はウクライナの小さな村ザヴァリチ付近。鉄道労働者として働くポターアスティメンコという男性が「無音で動く3両の古い列車を見たんだ。あれは夜勤中のことだ。突然見たことのない不思議な列車が、線路のない道を走って行った。明らかに最近の列車じゃない。とても古くて、あれは絶対戦前のモデルだった。」と語っています。

彼が語る列車は、消えた豪華列車ザネッティと特徴が一致する。

消えた列車に一体何が

消えた列車に一体何が
中世ヨーロッパから1845年、そして1955年と、同じような目撃情報が上がっていることから、おそらくこの列車は時間旅行をしていたのでしょう。

しかし、これはあくまで都市伝説であり、科学的な分析や公式記録が残されているわけではありません。これらの目撃情報は、この消えた列車の伝説を信じた熱心な専門家たちが調べた結果、出てきた情報です。

というのも、この都市伝説を信じる人が多いのには理由があって、目撃情報はまだまだあるからです。

たとえば、1955年のウクライナで目撃された時期と同じく、インドのマハーラーシュトラ州のプネ市でも、謎の古い列車が目撃されています。さらに最近では、1991年にもウクライナ中部の都市ポルタヴァで目撃されています。

目撃者は声を揃えて、車内には年代物の昔の服を着た乗客が乗っていた。と語るんだそう。このような不思議な列車は、ドイツ、ロシア、ルーマニアでも目撃されており、線路の有無に関わらず目撃情報が報告されているということ。

ただの都市伝説と片付けるには、過去の歴史的資料や診察記録など、あまりにも不可解な証拠とも言える情報が多すぎる。世界各地で同じ目撃情報が挙がっているのも、あまりに不自然ではないだろうか。

もしかするとあなたの目の前にも、不思議な服を着た乗客が乗る、ゴーストトレインが現れるかもしれませんね…。

信じるか信じないかは、あなた次第です。

▼参考

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