【悪魔の聖書】あまりにも奇怪すぎる奇書「ギガス写本」

スウェーデンストックホルムにある国立図書館に、この悪魔の聖書が眠っている。

『ギガス写本』

13世紀初頭に作られたと言われているこの写本は、多くの伝説が残され、今も「世界8番目の不思議」として現存している。

目次

ギガス写本伝説

ギガス写本伝説
現在のチェコ中央部Poziaziceにある修道院で作製されたと伝えられるギガス写本。

当時、戒律を破り幽閉された修行僧、ヘルマンという人物によって作製された。当時ヘルマンは、減刑してもらうために、この写本を一日で完成させると誓いを立てる。しかし真夜中になったころ、それは不可能だと悟ったヘルマン。彼は神ではなく悪魔に祈った。

「自身の魂と引き換えに、この本を完成させてくれ」と。

この願いを受けたルシファーの力によって、魂と引き換えに写本が完成。その証拠に、全面悪魔の肖像が描かれたページが存在し、これは修行僧が感謝の意をあらわすために悪魔の絵を追加したと言われている。そしてこの悪魔のページには、「説明のつかない影」が出現するという現象が起きるそうだ。

「悪魔のバイブル」呼ばれるギガス写本の中身

「悪魔のバイブル」呼ばれるギガス写本の中身
このギガス写本は全てラテン語で書かれており、聖書や古代の歴史、薬物療法に魔法など、あらゆる知識が記されている。

だが不思議なことが一つある。それは、この写本には悪魔が描かれているにも関わらず、悪魔祓いの呪文が書かれているのだ。なぜ悪魔祓いの呪文を印しておきながら、悪魔を称える肖像を描いたのか?

伝説は本当だと、こちらに囁いてくるような謎である。

ギガス写本の鑑定結果

現代になって、ギガス写本はあらゆる専門家のもと鑑定が行われた。

その膨大なページ数は、明らかに一人で完成させるには途方もない時間と労力を要するのは明白。しかしだ、筆跡鑑定の結果、この写本はたしかに一人で行ったものであるという見解が下された。

これを一人で作製するとなると、最短でも20年、分析結果によれば25年〜30年ほどの製作期間を要したのではないかとさえ考えられている。

真実味を帯びる悪魔の聖書伝説

この写本は、羊皮紙と呼ばれる動物の皮を使って描かれており、そのページ数は600ページを超える。これだけ膨大な動物の皮を使って描かれたならば、当然古いページが劣化してくるのが当然だろう。

しかし、このギガス写本の羊皮紙の質は一定であり、これは写本が短期間で完成されたものでないと説明がつかないのだ。

さらに、20年〜30年という歳月を本の作製に費やしたと考えれば、加齢による筆跡の変化も起こってくる。年月が長い分、これは明確に出てくるものであろう。

しかし、このギガス写本の筆致は最初から最後まで一定なのだ。さらに、インクも全て同じものが使用されていることもわかっている。

この根拠から、伝説は本当だと信じてやまない人も多い。果たしてこのギガス写本は、本当に悪魔が作った写本なのだろうか。

だとすれば、本来神聖なものであり、悪魔は触れることすらできない聖書を、どうやって作り上げたのか。謎は深まるばかりである。

ギガス写本の呪い

ギガス写本の呪い
悪魔の契約によって生まれたとされるギガス写本は、このあと様々な持ち主のもとを転々とする。そこで、この写本を関わった人の多くが不幸に見舞われた。

最初は、この写本を保管していたセドレツ教会。写本を手放した直後、修道院内でペストが流行。大勢の犠牲者が出てしまった。1648年には、三十年戦争の戦利品としてスウェーデン軍がこの本を略奪するも、写本を保管していた城が火事に遭ったことがわかっている。

このように、これが呪いなのか偶然なのかは定かでないが、この写本を手に入れた人々に不幸が相次いだのは事実なのだ。

実際のギガス写本

現在、この写本はストックホルムのスウェーデン国立博物館が収蔵しているが、通常は公開されていない。

だが、既にデジタル化されたギガス写本は、誰でもネットで見ることができるので、興味のある方はコチラをどうぞ。

デジタル版ギガス写本
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