「世界中のメール、SNS、通話は米国政府に監視されていた」
2013年、一人の男性がアメリカの国家機密を暴露。これは、日本でも起きている現実だったのです。
よくある胡散臭い陰謀論のような話ですが、すべて事実。
元CIA局員エドワード・スノーデンは、全てを捨ててNSAが行っていたスパイ活動を世界中へ告発しました。
今日は、そんなエドワード・スノーデン氏が語る「アメリカのスパイ活動」について、紹介していきます。
どうもRanRanLです。
映画「スノーデン」をご覧になった方は多いと思います。めっちゃおもしろいですよね。この映画は、エドワード・スノーデンという実在の人物の半生を描いたもので、世界中を震撼させた告発劇です。
今日は、そんなエドワード・スノーデンが語ったアメリカの機密情報について、紹介します。
エドワード・スノーデンとは?
エドワード・スノーデンは、元アメリカ国家安全保障局(NSA)および中央情報局(CIA)に務めていた人物です。
アメリカの機密情報を世界中に暴露したことで、現在は世界中で指名手配犯として追われる身でありながら、ノーベル平和賞候補にも選出されています。
彼が広めたのは、アメリカ政府が対○ロ諜報活動の名のもと、世界中のメール、SNS、通話を監視し、膨大な情報を違法に収集しているという実態でした。
NSAとは、海外情報通信の収集と分析を主な任務として活動する組織だと公式では言われているものの、1999年まで、その存在すら公表されていなかった裏の組織であるため、その実態は謎。
このNSAが行っていたスパイ活動を暴露したのが、エドワード・スノーデンです。
スノーデンは、NSAで請負仕事をしていたアメリカ合衆国のコンサルタント会社「ブーズ・アレン・ハミルトン」のシステム分析官として、アメリカ合衆国連邦政府による情報収集活動を行っていました。
スノーデンがそこで目にしたのは、対テロ諜報活動という名目で、世界中のメール、電話、SNSを監視して、膨大な情報を入手していたというもの。
それまではただのフィクション、陰謀論と言われていた「監視社会」が実際に存在し、それを告発したのが、エドワード・スノーデンです。
電話、インターネットは常に盗聴されている
アメリカ国内だけで月に30億件、全世界では1ヶ月970億件のインターネットと電話回線の傍受が行なわれていたことを明らかにしたんです。
ベライゾン・ワイヤレスという電話会社を筆頭に、大手通信事業者がNSAに提供していました。日本ではあまり馴染みがありませんが、この会社はアメリカ合衆国の加入者第1位の携帯電話事業会社です。
日本でいうドコモ、au、softbankなどの大手キャリアが、顧客のプライバシーを無視して政府に情報提供していた、みたいな話ですね。
これはアメリカだけにとどまらず、世界中の電話会社が情報提供を行っており、もちろん日本でも行われていました。
コードネーム「PRISM」
NSAの極秘大量監視プログラム「PRISM」を使用して、このスパイ活動は行われていました。
標的になった情報は、電子メールやチャット、電話、ビデオ、写真、ファイル転送、ビデオ会議、登録情報など。標的となった人物の情報は、氏名、住所はもちろん収集されており、通話内容の録音も行われていた。さらに、通話者双方の電話番号、そして端末の個体番号、通話時刻、通話時間まで徹底的に洗い出し、そこから位置情報まで取得していたそうです。
また、この数え切れない情報の中から、人口知能がテロ容疑者を割り出し、暗殺、逮捕を目的とした暗殺リスト「SKYNET(スカイネット)」の存在も、スノーデンは暴露しています。
このリストに載っている容疑者は、無人攻撃ドローンによる暗殺されるんだそうです。
IT企業の共謀
ちょっと内容がやばすぎる気がするのでピーいれますが、「マイク○ソフト、Ya○oo!、○oogle、○acebook、○kype、○pple、○witter」といった、知らない人はいないであろう大企業も、通信傍受に協力していると囁かれていたものの、その真偽は定かではありませんでした。
しかし、スノーデンがNSAから持ち出した極秘資料によって、その一部があきらかになったのです。
○イクロソフトは、NSAが通信傍受を行いやすいように、わざとシステム内に秘密の抜け道を用意していたことが判明。さらに、ストレージサービスOneDriveに侵入できるようにしていたこともわかっており、SkypeはNSAが情報を取得しやすいように、特別チームまで編成していました。
○acebookは、2012年後半の6ヶ月間で18000-19000アカウントの情報を開示するよう依頼があったことも判明。
ただこれだけ見て企業を批判するのも違くて、実はこの情報提供を行うよう、NSAは企業にあらゆる圧力をかけていたみたいなんですよ。最後まで抵抗し続けたのは「Yahoo!、Twitter」だそうで、Twitterはこの圧力にも屈さず情報提供を断ったそうです。Twitterかっけえ。
アメリカ政府は、否定しようのない証拠をもとに今回の機密を暴露されたため、その批判はものすごいことになってしまいました。その為、アメリカ政府があらゆる企業を巻き込んで、批判の矛先を分散させているのも確かなんです。そう考えると、うーん、一概に企業を批判しまくるのも微妙なところですね。
しかし、スノーデンが暴露したのは、まだまだこれだけではありません。
38カ国の大使館を盗聴
NSAは、一般人やテロ組織だけでなく、日本やフランス、イタリア、ギリシャ、メキシコ、インド、韓国、トルコなど、同盟国を含む38カ国の情報収集を行っていました。
これに対し、フランスのオランド大統領は「同盟国に対するこのような行為は容認できない」と発言し、ドイツ政府も「全く容認できない」と怒りをあらわにしています。これら発言に対し、当時のアメリカ大統領であるオバマ元大統領は「諜報機関を持つ国ならどこの国でもやってることだろ」と逆ギレして、同盟国の大使館に対するスパイ活動への理解を求めたそうなんですね。いやオバマむちゃくちゃすぎwwww
また、「TARGET TOKYO」と呼ばれる日本をターゲットにした活動もあって、内閣府、財務省、経済産業省、日銀など、35回線の電話を盗聴していたそうです。さらに、「日本が同盟国でなくなった場合は電力システムを停止させられる有害なソフトウェア(通称マルウェア)を横田基地駐在所に仕込んだ」という内容が、映画『スノーデン』の中で語られています。
NSA屈指のハッカー集団TAO
NSAには、Tailored Access Operations(通称TAO)というハッカー集団が存在し、あらゆる汚れ仕事を請け負っています。
世界には、あらゆる政府や企業に次々とサイバー攻撃を仕掛ける「EquationGroup(イクエージョングループ)」というハッカー集団が存在するんですが、この組織は2015年に、ロシアの情報セキュリティー大手カスペルスキー研究所が存在を突き止めました。それまでの14年間、存在すら知られていなかった謎のハッカー集団です。
これはスノーデンがリークした情報ではなくあくまで噂なんですが、実はこのEquationGroup(イクエージョングループ)がNSAのTAOなのではないか、と言われています。このハッカー集団は、パソコン1台あれば飛行機を乗っ取ることも朝飯前で、まるでハリウッド映画に登場しそうな実在のハッカー集団です。
嘘のリーク情報も上がっています
ちなみに、スノーデンが「地底人」についてリークした!なんていう情報があがっているんですが、あれは嘘です。
「インターネット・クロニクル」という海外のネタサイトが報道したガセネタで、スノーデンは地底人についてのリークなどは一切してません。
エドワード・スノーデンの現在
スノーデンは、この情報を暴露する際、年収2000万円で将来を約束された生活を送っていました。
しかし正義感に従い、彼は全てを捨てて真実を明かしたんです。もし彼が捕まったら、国家反逆罪により死刑もしくは終身刑が待っています。発言権のない不当な裁判を受けさせられることは明確で、常に命の危険と隣合わせ。
もしもこれがあなたなら、同じ選択ができますか?僕はできませんね。NSAは辞職するとは思いますが、人生を捨てて暴露なんて絶対できないと思います。
この出来事から、スノーデンは「声なき人間になるくらいなら国なき人間になる」という名言を残していて、なんかこう、現代人に響く言葉だなと思いませんか。会社でも、学校でも、あらゆる組織で、声なき人間になってる人はきっと多いと思うんですよ。
日々の生活の中で、そんな自分の声を殺して生きている人は、スノーデンのこの言葉を、頭の片隅にでもいれておいてください。きっと人生で役立つ言葉だと思うので。
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