僕たちが住んでいる空間は、必ず中と外に分かれています。
家の中、外。日本という国の中、海外。もっと広げると、地球の中、そして宇宙。
じゃあ、宇宙の外ってあるの?
今日は、そんな宇宙の果てのお話。
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宇宙の果てとは?
まず、宇宙の果てついて語る上では、「遠くを見る」ということについて考える必要があります。僕たちがいつも見ている夜空、星空は、その星が発した光が地球に届いているということです。
よく何万光年と言いますが、この「光年」とは、光が1年間に進む距離を1光年とした天文学の単位を指します。1光年はkmに直すと9兆4600億kmであり、とんでもない数字になるんですよね。光の速さは秒速30万キロであり、太陽から地球まで8分19秒で到達する速さです。月から地球までだと、2秒もかかりません。そんな光が、一年かけて進む距離なのだから、当然その数字はとんでもないことになるのです。
ボクたちが見ている星は、そんな光が何年もかけて届くほどの距離。1万年前に星が発した光が、1万年間宇宙空間を走り続けて、ようやく地球に届くのです。ということは、僕たちが見ている星は、1万年前の光ということになります。要するに、星空を見るという行為は、過去を見るという行為なのです。
宇宙の誕生と仕組みについて
ボクたちが見ている宇宙は、およそ138億年前に誕生したと考えられています。
先ほども書いた通り、今ボクたちの上空に輝いている星たちは、何万、何億年前の星の姿です。もしもそれが100億年前の光だとすれば、宇宙が誕生してまだ38億年しか経っていない、宇宙初期の天体を観測していることになるのです。
つまり、138億光年の距離が「宇宙の果て」ということになります。
膨張する宇宙
しかし、宇宙はそんな単純なものではありません。
もともとは、宇宙の果ては存在せず、どこまでも広がっている無限空間だと考えられていました。しかし、20世紀に入り、エドウィン・ハッブルという天文学者が、「宇宙は膨張している」ことに気づいたんです。
「遠い銀河ほど、速い速度で遠ざかっている」という法則を発見し、これは後に「ハッブルの法則」と呼ばれるようになりました。どういうことかというと、宇宙は無限の空間ではなく、風船のように膨らみ続けている。ということ。
1916年、アインシュタインが相対性理論を発表し、翌年その相対性理論に基づく宇宙モデルを発表します。この時、アインシュタインが考えた宇宙モデルは静止宇宙を示していました。
ですが、その後の1930年。アインシュタインはハッブルの務めるウィルソン天文台へ訪れ、ハッブルが撮影した銀河の写真を確認。アインシュタインは、自らが導き出した静止宇宙のモデルを捨てざるを得なくなったのです。
エドウィン・パウエル・ハッブル(Edwin Powell Hubble, 1889年11月20日 – 1953年9月28日)は、アメリカ合衆国の天文学者。我々の銀河系の外にも銀河が存在することや、それらの銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見した。近代を代表する天文学者の一人であり、現代の宇宙論の基礎を築いた人物である。
Wikipedia
宇宙はどこに向かって膨張してる?
先ほど、宇宙の果ては138億光年であり、宇宙が生まれたのは138億年前だと書きました。
しかし、前述の通り宇宙は常に膨張しているので、実際はもっと遠いということになります。現在観測できる最も遠いところでは、464億光年まで観測できると言われています。それ以上の宇宙の果てを知ることが、現段階では不可能。
では、その先にあるのは結局何なんだという疑問に戻るのですが、結論は「無」です。ただこれではおもしろくないので、いくつかの説を紹介していきます。
ブラックホールの中説
この世界には、複数の宇宙が無限に存在して、それは全てブラックホールの中にあるのではないか。という説です。
ボクたちが知っている宇宙にも、ブラックホールは存在しますよね。そのブラックホールの中にも、また別の宇宙が存在し、そのまた中のブラックホールにも別の宇宙が存在する。同時に、ボクたちが暮らしているこの宇宙も、またブラックホールの中にある宇宙の1つなのではないか、という説です。
まあ、これを言い出したら結局無限という答えになるので、宇宙の果てにはたどり着かないんですけどね。
同じ宇宙がそのまま存在する
この説は、宇宙の外側には、ボクたちが暮らす宇宙と全く同じ宇宙が別に存在するのではないか、という説です。
パラレルワールドの話に近いのですが、全ての可能性だけ宇宙が存在していて、何かを選択するたびに、自分が選択した宇宙にシフトしているという説です。
ただ、もっとおもしろい説があるんです。
ダークフロー暗黒流動
2008年に、科学者たちはある発見をしました。
「数百個の銀河団が時速360万キロで同じ方向に流れている」
これは、宇宙の外側にある未知の物質が、銀河団を強く引き寄せているという仮説が唱えられているそうです。
この発見は、ビッグバンが起きた際何らかの物質が宇宙の外側に押し出されたことを示しており、そうなると、ボクたちが住むこの宇宙の外側には、さらに大きな宇宙が存在し、多言宇宙論(マルチバース)の一部ということになります。
ブラックホールの中であるという説と、ほぼ同じような内容ですね。
参考:暗黒流動、“宇宙の外側”の証拠を発見|NATIONAL GEOGRAPHIC
一人ひとりの中に宇宙が存在する
これは、もともと宇宙の外側には何もなくて、これを読んでいるあなたや、書いているボク。そのまた家族や恋人まで、ボクたち一人ひとりに宇宙がある。という説です。
というのも、今この世界を作り出しているのは、ボクたちの意識ですよね。自分と全く同じ世界を見ている人なんて、誰一人いない。宇宙の中にある銀河、太陽、そして地球。その中に住んでいる僕たち人間。これが現在の認識ですが、実はそうではなくて、僕たち一人ひとりが作り上げる違う世界のなかに宇宙がある、という考えです。
世の中には、バタフライ・エフェクトや引き寄せの法則といった、未知のパワーがありますよね。「思考は現実になる」とよく言われるアレです。僕たちは、宇宙が作り上げた世界で生かされているのではなくて、僕たち一人ひとりが作り上げた意識、現実の中で自ら生き、行動し、宇宙という存在を認識することで、初めて宇宙が存在することになる。
だから、成功したいとか、何かを手に入れたい時は、それを実現できるような思考、行動、習慣を身につけることによって、自分が望む宇宙になるんです。
これはピンと来るようで来ないような、スピリチュアル感の強い説ですが、ボクは好きですね(笑)
【考察】宇宙の果てって結局あるの?ないの?
この結論は、やっぱり「無」が最も有力な説ではあるんですが、ここまで話した内容からすると「ブラックホールの中説」が1番考えやすいですよね。
まあ、結局そのブラックホールの中にも無限の宇宙が存在しているのでアレですが、「ボクたちが住んでいる宇宙の果て」という中だけでカテゴライズすれば、宇宙の果てはブラックホールなのかもしれません。
そもそも、今の人類の脳ミソでは理解できない高次元の話である確率が高いので、考えるだけ無駄なのかも。となると意外に的を得ているのは、「一人ひとりに宇宙がある」という説なのかも。神秘的なものこそ、高次元の話ってよく聞きますからね。
あなたは、宇宙の果てってあると思いますか?
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